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松尾諭「拾われた男」 #14 「滋賀の田んぼのマンションで、父の壁紙に絶句した日」

2018年04月29日更新
松尾諭「拾われた男」 #14 「滋賀の田んぼのマンションで、父の壁紙に絶句した日」
生まれ育った家はさして広くもない長屋のような平屋で、物心ついた頃から兄と同じ部屋だった。中学になって、団地に引っ越すことになり、念願の一人部屋かと思いきや、増えた部屋は納戸だけで、高校に入っても兄と同じ部屋、同じ二段ベッドだった。高校2年になって、兄の圧政に耐えきれず、3畳の納戸に机と洋服ダンスと布団を持ち込んで、そこを自分の部屋とした。窓もなく、空調もないので、夏は暑く、冬は寒かったが、初めて自分だけの空間を持てたことが嬉しかった。でもやっぱり狭く居心地が良いとは決して言えなかったので、大学に入ったらすぐにでも家を出ていってやると決意した。 「そうか、わかった。もう帰ってこんでええ...

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