
漫画家・吉川景都さんが、この冬に発売したエッセイ漫画『さよならわたしのおかあさん』(新潮社)。お母様のがん発覚から、看取りまでを丁寧に描かれています。いつか来るとわかっていても、想像するだけで恐ろしくなる、母親の死。すこし早くに体験した先輩としてのお話を、吉川さんに伺いました。 ■つらい場面ばかり思い出して泣くことが、減った ――まず「母の死」というテーマで作品を描こうと思ったのは、どうしてですか?母が亡くなって2年ほど経ったとき、長いお付き合いの編集者さんに勧められたんです。まだ自分のなかで整理がついていなかったから、はじめは気後れ...