
厚生労働省の「平成28年度全国ひとり親世帯等調査」の結果によると、日本には約142万世帯の「ひとり親世帯」があり、その8.7割が「母子世帯」だと言われています。なぜ、母親ばかりが育児の責任を引き受けるのか――。そこには社会に深く刻み込まれている母性神話も一因ではないでしょうか。 そんな母性神話の崩壊を描いた映画『メモリーズ・オブ・サマー』が6月1日に公開されます。1970年代のポーランドを舞台に、父親不在の母と子2人暮らしのなかで、12歳の息子が母親の不倫を知り、痛みを感じながらも成長していくひと夏を、パステルカラーを色調にしたはかなく美しい映像で紡いだ傑作です。 しかも、愛情に飢え...